ハイカラな人 Vol.3 千吉良恵子(ヘアー&メイクアップアーティスト)

千吉良 恵子 / keiko chigira

CLIP | CLASSYPERSON

2018.3.31

ハイカラな人 Vol.3 千吉良恵子(ヘアー&メイクアップアーティスト)
私たちは、情報が溢れる時代を生きている。
たくさんの色の中から、常に選択を迫られる。

 
自分らしく生きることを
あきらめない全ての人へ、

これは同じ時代を自分の色で生きる
「ハイカラな人」のストーリー。

意思を持つことは、強く美しい。

 
【Vol.3】
ヘアー&メイクアップアーティスト
千吉良 恵子

 
「知れば知るほどヘアメイクは楽しい!」
天職に生きるお茶目なオトナ。
内面の美しさを引き出す千吉良恵子さんの“透明感メイク”は、数多くの女優やモデルから指名され、美容誌でその名を見ない月はない。美容界の第一線で活躍する、人気ヘア&メイクアップアーティスト・千吉良恵子さん。今年はヘアメイクになって30年という節目の年。今でも「ヘアメイクが楽しくて、撮影後、いつ死んでもいいと思うほど幸せ」と、心から楽しそうに笑う。そんな彼女のハイカラな生き方を教えてもらった。

 
メイクで人をハッピーにしたい!
「私が美容師になりたいと思ったのは小学校3年生のとき。実家の向かいが美容室で、母がそこへ行くと、いつもすごくキレイになって帰ってきたんですね。そこが私の憧れの場所であり、原点。
小学生の頃も今も『誰を美しく、ハッピーにしたい』という強い想いは変わっていません。当時はヘアメイクという仕事にどうやったらつけるのかを知らず、知ったのは東京に出てきてから。20歳そこそこの私にとっては、夢のまた夢の世界でした」

 
 
ある時、千吉良さんは就職情報誌でヘアメイク募集の記事を発見。
そこに応募してヘアメイクの仕事についたのが24歳の時。
アシスタントも経ず、いきなり撮影現場に一人で向かったという千吉良さん。


「あの頃はひとつひとつの現場がすべて勉強でした」と語る。
「最初の何年かは思い描いたようなモードの世界ではなく、例えば、汗をふくだけとか、企業の教育ビデオのヘアメイクとか、何でもやりました。どんな仕事も初めてですから、ドキドキするけれど『何かをつかまなきゃ』、『今日も1つ学ぶことができた』と、毎日必死。でも何が起こるかワクワクして、とにかく楽しかったですね」
 
 

ヘアメイクとして働き始めてから4年後。
憧れだったヘアメイクアップアーティスト・藤原美智子さん主宰の
LA DONNAラ・ドンナに所属。

ヘアメイク人生を変える2つの衝撃

⒈ 藤原美智子さんとの出会い
「ずっと憧れていた藤原美智子さんの現場を見せてもらったんです。その衝撃たるや「真っ暗な部屋でひざを抱えて泣かせて」と思ったほど。今まで私は何をやっていたんだろうと、深い自己嫌悪に陥りました。それまで雑誌やテレビで藤原さんのメイクはたくさん見てきましたが、生の彼女のメイクは今思い出しても泣けるくらい素晴らしかった。仕上がりはもちろんですが、メイクの技術もその姿勢も、4年間独学でやってきた私には1mmも太刀打ちできない。人生であんなにショックを受けたのははじめてでしたね。これが最初の衝撃。

⒉ 0.01mm足りない眉
次の衝撃は、私がヘアメイクをしたポラロイド写真を藤原さんに見せてチェックをお願いした時。ポラロイド写真は拡大もできないし、顔はほんの5cmに満たない大きさ。その小さな写真を見て藤原さんが「右の眉、0.01mm内側が足りない」とおっしゃったんです。その言葉にまた衝撃を受けて!0.01mmの差がわかる、藤原さんのようなミクロの目を持ちたいと、その時、強く思いました。
 
 
4年間の実践的な仕事で学んだことよりも、このたった2つの衝撃で私は変わりました。本物を見ることは、一瞬で思考まですべてが変わってしまうんです。だからぜひ、若い方々にも本物を見てほしい。
今までは楽しくて仕方がなかったお仕事が、藤原美智子という本物を知ってしまってから、どうしていいのかわからなくなり、自信を無くして苦悩する日々に変わりました。まだまだ技術としっかりとしたメソッドがなかった私は毎回不安で、当時はメイクボックスの道具を1時間かけて全部キレイにふいてからでないと、現場に行けなかったり。。。それでも、この仕事を続けてこられたのは不安やプレッシャーよりも、ヘアメイクに対する好奇心と現場で味わう喜びの方が勝っていたからですね」
「藤原さんに少しでも近づかなくては」と思って過ごした2年間。
こんな苦悩時代から解放されたきっかけは、


「私はこう思う」と、自分に目を向けた時から。

「ある時「今年の流行は?」と聞かれて、流行を先読みをして提案しなければならないそんな時「千吉良的には……」と付け加えて話すようにしたんです。「私はこう思います」と、話すことでとても自由になりました。千吉良恵子の目線で、自分が思っている流行を語り、メイクをすればいいと思ったら、すごくラクになりましたね。周りと比べるのではなく、昨日の自分より今日はどうだったか、昨日の技術より少しでも前進しているのか。点と点を線で結んで未来の道を造る。対自分に目を向けたら、逆に流行にリンクすることに気づいた。それからはますますメイクのチャレンジが楽しくて。今までにないメイクをどんどん作っていきながら、それが評価をされ始め、やっと自分に自信が持てるようになってきました」

 
                
そして、今年はヘアメイクになって30年。
千吉良さんのこだわりは今も昔も変わっていない。
「一番根本にあるのは、絶対的なハッピー感。それがないモードもクールもありません。ビッチなメイクをしても根本はピュアだったり透明感があったり。仕上がったメイクの中にハッピー感や、その人らしい茶目っ気が見えないと、自分の中でOKは出せませんね。
 

 
最後にヘアメイクを目指している人、
自分の夢にひるんでいる人たちに、千吉良さんからメッセージ。
「自分で、自分自身の個性や、自分はこの程度だと限界を決めないことが大事です。私は実は不器用だったけど「なりたい!」という熱量だけは、誰にも負けなかった。何かを極めたいと思ったら、自分を低く評価せずに腹をくくって、いろいろやってみることです。夢への熱量さえあれば、多くのことはクリアできる!
 


 
 
 ハイカラな人、千吉良恵子。 
ヘアメイク界の大御所・千吉良恵子さんは仕事に対して厳しい人に違いない……と少し緊張して取材へ。ところがひと目お会いした瞬間に、そのお茶目なお人柄に引き込まれ、大好きな人になってしまった。
こんなに仕事のことを楽しそうに話すオトナを見たことがない。

「ヘアメイク歴30年を迎えた今でもヘアメイクが楽しくて、毎日ワクワク感でいっぱいなんです。飽きたことはないし、辞めたいと思ったことは一度もない。私にとってはベストな仕事♡」と嬉しそうに話してくれた。その姿は、「サッカーが楽しくて
と、夢中になる少年」のよう。何だか聞いているこちらまで楽しい気分になる。

千吉良さんは「美しさの中に、ハッピー感や茶目っ気のあるメイク」がテーマだというが、それは千吉良さんご本人のお人柄そのもの。多くの女優やモデルが千吉良さんを指名するのは、完成度の高いメイクへの期待感はもちろんのこと、お茶目な千吉良さんに会いたい!と思うからではないだろうか。
ハイカラー編集部も、もうすでに千吉良さんのあの笑顔が恋しい。

 


【Profile】
ヘアー&メイクアップアーティスト 千吉良恵子
cheek one主宰。LA DONNAラ・ドンナ】に20年間所属後、2012年にcheek oneを設立。女性誌のビューティーページをはじめ、女優、タレントのヘアメイク、広告撮影のほか、講演など幅広い分野で活躍。著書に『千吉良恵子の効くメイク』(アスコム)、『千吉良恵子の可能力メイク』(ワニブックス)ほか。
cheekone.com
Twitter  @keikochigira127
Instagram
 


txt:miwa yamamoto
photo:ryoko ono
撮影協力:cheek one

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ハイカラー編集部

ファッション、ビューティはもちろん、モノ・コトへのこだわりが人一倍強い好奇心旺盛なクリエイターが集う編集部。ジャンルの枠に捉われないコンテンツ製作をモットーに日々奔走中。

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